ロカ号

機走試運転

進水式後、着・離岸習熟訓練を兼ねてROCA号の機走試験を港内外で行った。操船特性、桟橋環境が明らかとなり若干の改造を行うこととなった。

ボート操船特性

セールドライブのインボードエンジンを採用せず、固定アウトボードエンジンを採用したため、舵の効きが悪い。スクリュウー作動中は回頭に抵抗するモーメントが舵の回頭モーメントと合成されるためである。インボードセールドライブの方がスクリューがバラストに近いだけモーメントは小さくなる。着桟など正確さを要求される操船はクラッチニュートラルで慣性で前進する状態での操船が望ましい。強風下では風圧により船足が止まり操船不能にならぬスピードに上げてからクラッチニュートラルにするなど風圧も読んだ予測制御あるいはフィードフォワード制御が要求される。(人工衛星のドッキングに近い制御)

回頭はキールを中心として船尾が左右に動く。

発桟は舵固定、バウをガイドしつつ、手押しバック慣性のみで可能。

着桟はエンジン・ニュートラルで惰性前進下で操舵する。停船にはエンジン・リバースを少々。

アウトボードエンジンはスクリュー径が小さいため、スクリュー効果は感じないが、右回りのため、リバースしたとき左に振れるのはやはりスクリュー効果か?

その他注意事項

停泊中はバッテリーはプラス・マイナス両方遮断し放電防止。

ガソリンタンクのエア抜きはエンジン使用中は開け、停泊中は閉める。

エンジンオイル交換は慣らし運転10時間と半年に一回程度。エンジンオイルの消耗は車よりはげしい。

ラダーは落水しても水中から引きおろせるようにロープをセット。

ブイには導紐を付ける。

係留中のブーム、ティラー固定ロープを用意。

スプレーカバーのホックは全て固定して風によるフラッタリングを防止する。

モヤイ綱をバウデッキ上でクロスさせると、スベリ止めゴム塗装が磨り減る。

桟橋環境

バウオンで着桟するとき、西南風が卓越風のため、ポートサイド・ポンツーン(ウインドワード・ポンツーン)とした。

B区画は桟橋のフィンガーが6メートルと短く、LOA 8メートルのボートの着桟は高度の操船技術を要する

ベイサイドマリーナ・イーストはウエストに比較し、強風が吹くことが判明(特に西風) 。

強風時、マリーナ近くの土砂荷揚・保管場所から砂塵が舞い、近くの都市ごみ焼却場、石炭火力発電所からの煤塵が船体を汚し一周間に1回の洗浄を要する。

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バースにて(2001/4/11)

ボート改造

強風対策としてクラッチとスロットルをレバーで同時制御できる(クラッチニュートラルでスロットルもアイドルにできる)エンジン・リモートコントロールを発注。エンジン・リモートコントロールはポートサイドとし、ティラー下に設置。

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エンジン・リモートコントロール

24リッターガソリンタンクを主18リッターを予備タンクとする。

間違って取り付けたフェアリード左右交換。

B区画係留条件の全長8メートルに納めるためにバウスプリットを外したが、あと20センチ余裕があるので、バウスプリットの寸法をつめて取り付けた。アンカー引き揚げ用ローラ、乗降用ステップとなり便利である。オリジナルのサポートも寸法をつめるため原寸大の図面を引いた。

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寸づめしたバウスプリット (2001/5/20)

ファーリング・ジブに紫外線ガードを付けないで、長期保管中はジブセールを取り外す。

桟橋対策

桟橋側に防舷材(フェンダー)としてスチレンフォーム浮体取り付け 。後ほとんど無意味な投資であったと判明。

ムアリング・ロープは停泊用と着桟用を分ける。停泊用は固定長として調整はしない 。

着桟用ムアリング・ロープはバウ・クリートとスターン・クリートから別にとり、中央に置く 。

ボート居住環境整備

海図、ラジオ、双眼鏡、緊急連絡網表など航海補助備品。

GPSはハンドヘルドを検討中。

法定備品であるライフジャケットはバルキーで機敏な動作を妨げ、夏は暑苦しいため自然装着しなくなる。安全対策としてコンパクトで着やすい膨張式ライフジャケットを購入。水に落ちると気を失っていても自動的にボンベに蓄えられていた液体炭酸ガスが膨張して口を上にして呼吸を確保してくれる。コードをひっぱても膨張する。自分でチューブに息を吹き込んでも膨張する。旅客機に装備してあるものと同じである。ライフラインも装着できる。本体はドイツbfa製。自動膨張センサー部分は米国製である。

水洗ホース・リール、水栓への取り付、バケツ、雑巾。

工具、補修テープ。

オイルスキン、寝具。

調理道具、燃料用アルコール、着火器、洗剤、ワックス(ハルのフェンダー接触斑除去用で、ワックスで取れない汚れは燃料アルコールで取れる)、タオル・ティシュー・ペイパーなど生活用品。

釣り道具。

2001/4/15

2001/5/20改訂


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