草木染め

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鎌倉に糸を草木染めし、機織で反物にして着物を創作している若き染織家がいる。その名は清水繭子さん。ミセス・グリーンウッドはタデ藍を栽培して収穫し、山を散策するときには染料となるドングリ、矢車附子(やしゃぶし)、臭木(くさぎ)などを採取して自らスカーフを”生葉(なまば)染め”で染めたり、余剰 の葉は清水繭子さんに提供してきた。

タデ藍の栽培と収穫

ウメの枝の心材、藍、イチイの心材で染めた絹糸

そして遂に着物を一着作ってもらうことになった。染め上がった糸を見ながらどのような反物にしようかと仕上がりを話し合うのであった。

機を織る清水繭子さん

完成した着物のモデルとなる清水繭子さん

”生葉染め”の原理は結構複雑である。藍の生葉に含まれるインジカンという無色の化合物は生葉を水の中で手揉みすると葉に含まれる酵素で分解されて水溶性のインドキシルに変わる。絹布をインドキシルの溶けた水にいれるとインドキシルが繊維とイオン結合する。布を 水から引き上げ空気に触れさせるとインドキシルは空気中の酸素で酸化されてインジゴという水に不溶性の色素に変わる。木綿や麻等の植物繊維はイオンが弱いので結合を仲立ちする灰汁や金属などの媒染剤が必要となる。

”建て染め”は葉を3ヶ月程発酵させて堆肥状にした”すくも”という染料を使う。

完成した着物

March 21, 2006

Rev. October 18, 2007


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