言語録

シリアル番号 日付

440

2001/2/23


名言 老婦人:「新聞になにか面白い話しがのってないかしら」
孫娘はある人妻が夫の浮気の相手の顔に大火傷を負わせたたが、無罪放免となり世間は大喝采したという記事を読み上げる。
老夫人:「何てひどい話し!私たちのころは色恋沙汰は終始あったのに、今じゃギャラントリーは死に絶えたんだねえ」。
娘にはその悲嘆は全然通じない。「だって結婚は神聖よ。それを裏切ったんですもの」 
「いいえ、神聖なのは恋愛です」 
「恋は生涯にただ一度のもの」 
「バカ言わないで、結婚は社会を維持し子孫を生み育てるための人間の工夫だけど、恋は神様の授けもの、一生に二十回だってできます。こんな味気ない世の中に生きてゆけるのも恋あればこそです。私の若いころは恋人のない女なんて世間の笑いものでしたよ。大革命この方、あんた方は何かというと大げさな言葉をふりまわすけれど、これは世の中が小市民(プチブル)だけになった証拠。結婚は神聖、恋愛は一生に一度なんて思い込んでるあなたとみていると、この先さぞ辛い思いをするだろうと胸が痛みます」
言った人、出典 モーパッサン著「昔むかし」 (Jadis)の小話。

ルイ十五世趣味(ロココ様式)の部屋で一人の老婦人(十八世紀の貴婦人)が孫娘(十九世紀の若い女)とかわす会話
引用した人、他 吉田秀和が朝日の文化欄で引用

フランス革命で価値観がひっくり返ったまま二十世紀も終わり、いよいよ二十一世紀に入ったがこの価値観が再度十八世紀型に変わったのだとアーノンクール指揮モーツアルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」のDVDを見て。
2000/2チューリッヒオペラ実演収録
コジ・ファン・トゥッテの脚本はダ・ポンテ作

ルイ15世の愛人ポンパドール夫人が十八世紀型の典型


トップ ページヘ