言語録
名言 |
最良の統治は最良の人による独裁
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言った人、出典 |
プラトン
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引用した人、他 |
朝日新聞「経済気象台」可軒
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正確にはプラトン的表現によればとある。ケルン大学哲学科でプラトンに関するゼミにいくつか参加し、彼の哲学を齧ったことがある望月氏によれば、プラトンがこう
いう言葉を直接発したとは信じられないそうだ。
プラトンは『国家』において哲学者を王とする理想国家の国政、他の政体(名誉王制、寡頭制、民主制、そして
プラトンが最悪の政体だする僭主制)との比較を行い、「哲人王」にゆよる統治が最も優れているものであるとした。この哲人王という概念から可軒氏は上のような言葉を
想像したのだろう。しかし19世紀イギリスでは哲人王の思想はエリート主義的な国家運営のモデルとして見られた。20世紀に入ってからは独裁国家のイデオ
ロギーの源泉のように見られるようになり、特にポパーの『開かれた社会とその敵』において哲人王はレーニンやヒトラーに直結するものとして批判された。