言語録

シリアル番号 日付

1217

2008/6/28


名言 彼の不朽のメタファーによれば、日本ではあらゆる種類の組織は「タコツボ」化する傾向がある。そこでは集団の活動、思想、価値観が大いに自己完結的となり、集団の権威が自己正当化され、社会的に孤立させられる。・・・十九世紀初頭の典型をなした「ヘーゲルとか、シュタインとか、マルクスとか、あるいはベンサム、コント」の包括的な体系は、十九世紀末までには、今日ごくふつうになった専門化された諸科学へと道を譲った。共通の根を切り捨てられて日本に移植されたのは、まさにこの後者ーすなわちササラ(茶筅)の細かく分かれた上の端ーなのであった。言い換えれば、共通の根とは弁証法、論法(アーギュメント)、論争(コンテステーション)の歴史であった。この歴史がないので、日本における社会諸科学の学問分野は初発から「アカデミック」な運命をたどり、ヨーロッパにおけるよりも自閉的でさえあった。もっと重大なことに、「学会」それ自体は国家が決めた公共善の役に立つべく存在するのだと考えられてしまった。
言った人、出典 アンドリュー・E・バーシェイ「近代日本の社会科学 丸山眞男と宇野弘蔵の射程
引用した人、他

丸山眞男の思想を整理して



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