メモ

シリアル番号 表題 日付

990

ハムの製法

2005/09/28

抗生物質の汚染の少ない国産生肉を10-12kg購入し、脂肪や内臓膜など除去。岩塩・コショウ・香辛料などを混ぜたソミュール液に漬け、10日間冷蔵庫 で保管。毎日40分間手もみでマッサージし、ソミュール液の浸透を図る。市販品は農水省の規格に従い亜硝酸ナトリウムを混入させるが、これは発ガン性ある ため使わない。10度Cの空気にさらし2時間風乾する。晒し布で包み、タコ糸を巻く。70度Cで2時間ボイルし、サクラのチップを使いドラム缶で2時間ス モークして完成。保存期間は1ヶ月。

亜硝酸ナトリウムは肉をピンク色に発色するが使わないと白っぽい。岩塩を使うと発色がよくなる。

市販のハムは手もみせず注射器でソミュール液を注入したり植物性タンパク質を混ぜるのでうまくない。

冷凍肉はドリップにうまみがでてしまうので使わない。表面だけ凍結するチルド肉は使えないことはない。ウナギ、ハマチ、タイなどの養殖魚はマラカイトグリーンなどの発がん性物質を含むので要注意。

小倉氏は引退後13年間に300バッチ自作した。

このソミュール液に漬ける作業は通常塩析といわれるものである。塩析(salting out)とは、タンパク質や低分子有機化合物などの溶質が高濃度の塩の溶液には溶解しないという性質を利用し、それらを分離・精製する方法である。塩析は 有害と嫌う向きもあるが塩析そのものは有害ではない。添加する亜硝酸ナトリウムが発ガン性があるのだ。亜硝酸ナトリウムは肉をピンク色に発色するので見た 目もおいしそうに見える。


プロバスメンバーの小倉氏の卓話

ちなみにイタリアのプロシュートというハムはボイルもスモークをせず、9ヶ月間、冷空気で風乾させながら熟成させたものである。特に上質のパルマハムはセリ科のパースニップとパルメサンチーズ製造時の副産物である乳漿を与えて育てたブタ肉を使用する。


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