メモ

シリアル番号 表題 日付

937

磁場核融合 MCF vs 慣性核融合 ICF

2005/03/07

核融合は重陽子(Deuterium)と三重水素(Tritium)を融合し、ヘリウム4(Helium-4)と中性(Neutron)を生成させるDT反応である。課題はD,Tの密度nと閉じ込め時間τの積nτを、ある一定の数値以上にすることである。

日本の科学技術庁/原研がかつぐトカマク方式と言われる磁場核融合方式(MCF, Magnetic Confinement Fusion)はnは小さいがτを大ききくしようというもの。1兆円に達する国際熱核融合実験炉(ITER)を(六ヶ所村)に誘致しようとフランスと争っている。箱物行政の繰り返しである。このトカマク方式ではディスラプションというプラズマの不安定現象のためτを大きくできず、その原因解明すらできていない。いまのところ解決索は運を天にまかすことしかない。

米国のローレンス・リバモア国立研究所を創設した水爆の親、テラー博士は磁力線でプラズマを閉じ込めるなどゴムバンドでジェリーを閉じ込めるようなものだと喝破して慣性核融合(ICF, Inertial Confinement Fusion)に大きく舵を切った。τは短かいが、nを非常に大きくする。典型的にはτは10 ns、nは固体密度の1000倍以上を狙う。外部から192本のパワーレーザーレーザービームを照射してDT燃料標的を圧縮・加熱し、核反応を促進するレーザー施設NIF(National Ignition Facility、国立点火施設)が建設中である。シナリオでは、標的加熱、圧縮、点火、核燃焼と進行する。τが短かいためプラズマの不安定現象を回避できる。2010年には臨海に達するという。

大阪大学のレーザー核融合研究センターにおいて慣性核融合が研究されて健闘しているが、予算の配分は少ない。



トップ ページヘ