メモ

シリアル番号 表題 日付

913

ポバール事故

2004/12/02

1984年、インドにあったユニオン・カーバイド社(UCC)の農薬工場でカルバリル製造の中間体であるイソシアン酸メチル(Methyl-isocyanate, MIC)が漏れ、周辺の住民5,295人(23,000人という統計もある)が死亡し、56万8,000人が20年間、後遺症に苦しんでいる。

イソシアン酸メチルはホスゲンから作られる中間製品で揮発性が高く、0度Cで保管しなければならない。しかし冷凍機が故障したのか水和反応のためか円筒横型の保冷付中間タンクの内圧が上昇し、安全弁が作動し、22トンのイシシアン酸メチルがすべて大気放出された。

責任者は2年の禁固刑だったが保釈金を支払って釈放。2010年に刑が確定した。UCC本社の経営陣の刑事責任は国境の壁で免問われないでいる。民事訴訟でUCCは410億円の 賠償金をインド政府に支払った。UCCの工場は荒廃したまま放棄されているが、土壌汚染で周辺の井戸水は飲用できないでいる。

NHK-フランスTV

この裁判の結果が原子力損害賠償法に影響している。インドの発電会社が被害者に支払う補償金の上限は95億円。設備の供給者に重過失があった場合は電力会社は肩代わり要求できる。としているがこれでは日米の機器メーカーは輸出できないだろう。

Rev. July 19, 2010


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