メモ

シリアル番号 表題 日付

819

オトナ語

2004/06/13

オトナ社会で流通している言葉。たとえば「お世話になっております」

オトナ社会=世間

世間は「親切ー義理ー返礼」の連鎖によって成立している。贈与と互酬の関係、つまり「お互い様」が第一義で、個の意向など無視する社会。したがって「お世話になっております」は「贈与ー互酬の関係のなかにあります」という意志表示なのだ。

刑法学者の佐藤直樹は「世間の目」で「世間では、欧米が基礎としている個人は存立しておらず、人権も、民主主義も、義務も、舶来の理念や制度は個を起点した本来の意味では使われておらず、その機能もしていない。似て非なるものに加工しなければ日本には根つかなかった。「自己責任」という語も世間の文脈のなかで使われると、欧米でいう自己責任とは別の意味になる。

魂の単独者はこの社会の作動原理を自覚していないと齟齬をきたす。

朝日書評 宮崎哲弥


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