メモ

シリアル番号 表題 日付

791

カラシニコフ銃

2004/02/03

1974年にカラシニコフ氏によって設計されたカラシニコフ銃、AK74は名器といわれる。それは優れた設計思想に基いているからである。

単発銃はレバーを引くと薬室から空薬莢を引き出して放り出し、レバーを戻すとボルトが次ぎの弾をつかんで薬室に押し込む。引き金を引くと撃鉄鉄がボルトに埋め込まれた撃針を叩いて弾が発射される仕組みとなっている。自動小銃はこのプロセスを、発射のガス圧を使って自動化したものである。銃弾を発射する瞬間の爆発ガス圧は1平方センチ当たり4トン。このガスの一部を銃弾が銃身の半分を通過する時点でガスシリンダーに導き、ピストンでスライドを押し下げる。スライドに連結したボルト(遊底)が空薬莢を引き出して外に放り出す。このとき弾は既に銃身を離れているのでシリンダー内の圧力は下がっている。ために後に下がったスライドはスプリングで自動的に押し戻される。その力でボルトは次弾を薬室に押し込む。撃鉄が自動的に撃針を叩いて発射するという仕掛けである。弾倉にある30発は連射だと3秒で打ち尽くす。1秒に10発の速さだ。爆発で薬莢は薬室の壁に張り付く。それを急速に引き出すと薬莢が切れて残る。こうして弾詰りが生じる。

カラシニコフ氏の優れた設計思想とはなにか。3つある。

(1)スライドを重くして、引き抜く加速度を下げたため、薬莢が切れて薬室内に残らなくなった。まだスプリングで戻るとき、スライドの慣性力が確実に弾を薬室に押し込める。スライドを重くした分、他の部材を軽くし、総重量は同じにした。撃鉄のスプリングすら省いた。
(2)小さなネジ部品は分解した時紛失しやすい。他の部品と一体化し部品の数を8個に減らして紛失防止と分解掃除をしやすくした。
(3)ガスシリンダーとピストンのクリアランスとボルトと撃針のクリアランスを従来の0.1ミリから0.3ミリにして少しばかり砂がはいってもこじりつかないようにした。

銃身にライフル(線条)をつける工法は銃身となる鋼製の筒にライフルの凸型のタガネ棒を入れて、筒の外側から強力なハンマーで叩く。

朝日:設計者は語る


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