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シリアル番号 表題 日付

727

外部不経済の処理法

2003/07/28

経済の分散化、多様化、労働の分業化のために、環境破壊などの外部不経済を解決するには4つの方法がある。

@一律規制:従来のように「市場の失敗(market failure)」として政府の干渉をゆるす方法の一つ。利権につながるので日本の官僚が得意とするが硬直的でありAやBにくらべ最適解を得にくい。

A補助金:補助金はこれをばら撒く政治家や官僚に余計な権力を与え、新たな中間搾取あるいはそれを行う天下り機関が肥大化する。結果として 長期自民政権は債務残高を積み重ねてGDPの1.6倍。

Bピグー税:需給関係を課税によって外部不経済のコストを反映したものにするものでイギリスの経済学者アーサー・セシル・ピグーが考案した税。ピグー的課税ともいう。環境税、炭素税がこれに相当する。情報の非対称性や取引費用の存在、汚染の検証不可能性がある場合には実行できない場合がある。行政コストがかかり、税金にむらがる政・官・業が多く、途中で失われるコストが高くなる。

Cロナルド・コースの定理:生産費用の中に外部不経済をもつ2つの生産当事者あったとして、市場価格の安い生産が減産し、他方の市場価格が高い製品の生産者が社会の外部不経済を一定に保ちながら、増産して得る利益で、前者の減産保証をすれば、外部不経済がかわらずに総生産量は最大化する。市場価格など関心ない政府の干渉より社会厚生は極大化することをノーベル賞経済学者ロナルド・コースが初めて証明した。排出権取引がこれに相当する。 ますますペーパー・マネーが増えて過剰流動性を増すという欠点はあるが、@ABよりはましということのようだ。

マリル・ハート・マッカーティー著「現代経済思想」 に追補

Rev. September 11, 2009


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