シリアル番号 | 表題 | 日付 |
525 |
本居宣長の結婚秘話 |
2001/6/30 |
本居宣長は31才で松坂の村田みかと結婚、3ヶ月で離縁。2年後、津に住む草深たみと再婚。
以上の事実に関し、国学者大野晋の仮説。
京都遊学時代、一時帰省の途中、同じ塾の友人・草深玄周の家に立ち寄りその妹たみに一目ぼれした。しかし、すぐ結婚を申し込まなかったため、たみは他家に嫁いでしまう。忘れないまま31歳になって、村田みかと結納をかわす。その直後に、たみの夫の死を知る。みかと一度は結婚して、すぐに離縁。時がたつのを待って、たみと再婚した。
最初の結婚と離婚は倫理的に許されない残酷な行為である、と宣長には分かっていた。だからこそ日記には書けなかった。しかし、恋心は理屈では抑えることができない。儒教や道徳では人間を縛ることはできない、と実感した。この体験が不義密通の話の多い「源氏物語」への理解となった。源氏の解説書「紫文要領」を書き上げ、「もののあわれ」説をまとめたのは、たみと再婚した翌年34才の時だった。
2001/6/25朝日新聞特集、没後200年宣長のなぞ