シリアル番号 | 表題 | 日付 |
440 |
ケネス・アローの不可能性の定理 |
2000/8/7 |
現在の民主主義投票制度は、投票者を満足させられない
明治学院大学教授、司馬純詩、日経、やさしい経済学2000/8/7
アローの定理(impossibility theorem)とは、3つ以上の選択肢があるとき、社会が選択肢を合理的に選べるための2つの公理 (社会選好が完備で推移的であること) と民主的決定のための4条件とは互いに矛盾することを示した。
この否定的結論は「社会的決定の合理性と民主制の両立は困難である」とか「民主主義は不可能である」といった (それ自体は誤りとは言えない) 主張に単純化されて理解されることもあった。定理の内容が正しく理解されたにせよそうでなかったにせよ、 この定理が「一般意思」「社会的善」「公共善」「人民の意思」といった主張に疑いを投げかけたことはまちがいない。 この定理をアロー自身は「一般可能性定理」と呼んだ。しかしこの定理のもつ否定的含意から、「アローの不可能性定理」と呼ばれるのが一般的となった。
投票のパラドックス(voters' padadox)Paradox Serial No.027
Rev. April 29, 2011