メモ

シリアル番号 表題 日付

231

カクテル療法

96/10/20

●エイズ療法の一つ

●AZTやプロテアーゼ・インヒビターを併用する療法でかなり有効

●AZTはバローズ・ウェルカム(現グラクソ・スミスクライン)社が 1964年に抗がん剤として初合成し、1985年にNCIに所属していた満屋裕明が抗HIV作用を発見した。AZTはHIV感染細胞内でリン酸化され、 AZT3リン酸(AZTTP)という活性型の3リン酸化体になる。AZTTPはHIV逆転写酵素を競合的に阻害してデオキシチミジン3リン酸の代わりに HIVのDNA中に取り込まれてDNA鎖の伸張を停止することでウイルスの増殖を阻害する。アメリカでの特許は、実験に協力していたバローズ・ウェルカム 社が、満屋に無断で取得した。満屋は同社が高価格でAZTを売り出したことに怒り、さらに新しいHIV治療薬の研究に励んだ結果、世界で2番目と3番目の HIV治療薬「ddT」と「ddC」も満屋が開発した。2006年には、アメリカの研究者との共同研究で開発したHIV治療薬「ダルナビル」が、途上国が 特許料を払わずに使える医薬品として世界で初めて国連の機関に登録された。2007年には紫綬褒章、2015年には日本学士院賞を受賞。

Rev. November 3, 2015

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