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1473

社会脳仮説
2015/08/29

社会脳仮説("Social brain" hypothesis)は
マキャヴェッリ的知性仮説"Machiavellian intelligence" hypothesis)ともいわれる

人間やサルが大きな脳を持つにいたった進化圧のことをいう。

心理学者・哲学者ニコラス・ハンフリーが1976年に『知性の社会的機能』として提案し、バーンとホワイトゥンが「マキャヴェッリ的」いう印象的な呼称を与えた。
「マキャヴェッリ的」という言葉は「自己の利益のみを関心事として、目標の実現のために手段を選ばず行動する」といった強いニュアンスを持つ。しかし血縁 淘汰の研究などからも知られるように、生物個体は必ずしも個体単位で利己的なわけではない。そのため「社会的」という言葉の方が意味的にはより中立的で正 確である。

このプロセスの進化的な圧力となりうると想定されている行動には以下が含まれる

同盟や協力関係を組み、破る
約束を結び、破る
ルールを作り、破る
嘘をつき、真実を話す
恥と寛容さ
誤解と騙し

など。これには以下の要素などが絡む。

マキャヴェリズム
ゲーム理論
血縁淘汰説
互恵的利他主義

脳は、小さいが大きな代謝を要するコストのかかる器官である。ヒトでいえば、脳は体重の2%にすぎないが約20%のエネルギーを消費する。このような高コ ストの器官が進化するには、それだけの見返りが必要である。霊長類の種間比較研究によると、新皮質のサイズと相関があった要因は、唯一、集団のグループサ イズだけだった。大きな群れで生活する霊長類にとっては、群れ内の順位関係や親和関係をきちんと理解し、他者をうまく社会的に操作すること(マキャベリ的 に振る舞うこと)が、生存や繁殖のうえできわめて重要である。さらに、相手が何を欲し、何をしようとしているかと心を読む試みは、相手も同じことをするの で、手の読みあいになる。結果、知性の軍拡競争は脳の進化を、いっそう加速化した。


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