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1442

光学異性体
2014/08/24

味の素は当初小麦などのグルテンを加水分解することによってグルタミン酸ナトリウムにしていた。コストが非常に高くつくため、石油由来成分(アクリロニト リルなど)による合成など様々な手法が試みられた。しかし光学異性体が50%ずつ含むラセミ体になる。光学異性体の半分は無味のため、これを分離しなけれ ば味の素にはならない。この分離はコスト高。サリドマイド禍は光学異性体のS体が催奇性をもっていたため大惨事になったが幸いにも味の素には催奇性ははな い。

いずれにせよ協和発酵工業(現・協和発酵キリン)によりグルタミン酸生産菌が発見され、これに廃糖蜜(サトウキビから砂糖を搾り取った残滓)などをエネル ギー源として与え、発酵させてグルタミン酸を得る手法が安全性、コスト面において優れていることから、現在ではこのグルタミン酸生産菌による発酵法が主流 となっている。

協和発酵のエンジニアから味の素はグルタミン酸生産菌を協和発酵の下水枡から盗んだと聞いた。遺伝子分析で判明したという。

アスパルテームという人口甘味料もアミノ酸だ。だから化学合成ではラセミ体ができる。こちらは味の素より単価を高く設定できるので光学異性体を分離してもペイする。千代田化工はオランダの会社向けにオランダでアスパルテーム工場を作った。


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