メモ
シリアル番号 |
表題 |
日付 |
1427
|
隠れキリシタン 意外な素顔
|
2014/07/15
|
朝日新聞7月14日夕刊、第3版6面に長崎純心大教授宮崎賢太郎(宗教学)著「カクレキリシタンの実像」吉川弘文館の内容が紹介されていた。
九州の天草や五島列島に残ったオラショなど中身は先祖崇拝しかなく、一神教とはまったく別物だったという。徳川の政策が非情なものだったためキリスト教の教えがかくも早くうしなわれたのかとおもったが、今の日本の隠れキリシタンの評価は
北原白秋の「邪宗門」がキリスト教の信仰を守り抜いたと美化したのがいまの日本の常識になっていると指摘している。
とすれば日本人は現生ご利益しか信じないのかもということになる。
友人のNHKの元ディレクターのO氏は
どうか宮崎先生の本(の評判)を、鵜呑みにしないでください。宗教の土着化の事情は、地域によって、時代によって、また宣教者の質によって、などなど、様々です。
世界に目を向けても、宣教地の信仰が変化していった例は数多く見られます。わたしが目にしたインド南部でも、(多数神の)ヒンズー教と混交したキリスト教
が今日も生きていました。また現法王の故郷アルゼンチンにも、カトリックと混ざり合った土着信仰があり、法皇は最近の文書の中でこの信仰の存在を肯定的に
語っています。
日本のカクレキリシタンについて、宮崎学説は正しいかもしれませんが、「隠れキリシタン」の真の評価については、更なる議論を待ちたいと思います。
友人の長崎出身のH氏は
Oさんの見方に賛同します。キリスト教に限らず仏教・ヒンズー教・イスラム教皆地元に
根付いた信仰の影響を受け少しづつ変形している。サウディイスラムとマレーシャイスラムはかなり違うが、同じイスラム教国として自他共に認めている。アラ
ブ各国間ですら教義の解釈は必ずしも同じではない。宮崎本が何を書いているかは知りませんが、長崎外海・五島の隠れキリシタンが弾圧にめげずキリストの教
えを信奉し続けたことは歴史の事実。純心学園は教団スポンサーの学校だが、カトリック・プロテスタント(純心がどちらかだったか憶えていない)の違いに依
る偏見がある可能性あり。
と書いてきた。
Rev. July 16, 2014