シリアル番号 | 表題 | 日付 |
1304 |
エンドファイト |
2010/11/01 |
endophyte(内生菌)
植物体内で共生的に生活している真菌や細菌のことで、endo(within)とphyte(plant)からの造語。
広義には根粒菌や菌根菌もエンドファイトに含まれるが、一般にはイネ科植物に寄生する麦角(ばっかく)病菌科の真菌を指すことが多い。
植物体において根はふつう地中にあるため、茎や葉など地上のシュート系に較べると、細菌や菌類など微生物と関わることが多い。特に根の周囲 (根圏 rhizosphere) には、周囲の土壌よりも多くの微生物が生育している。根圏に生育する微生物は、根を通じて植物と密接に関わっていることがある。病原菌として植物の生育を妨げることもあるが、栄養塩の摂取などを通じて植物に利益を与えるものも多い。
<
窒素固定細菌の共生>
植物の必要とする無機養分の多くは、土壌の母岩中に含まれているが、窒素はほとんど含まれていない。植物が利用する窒素の多くは、微生物により空気中の窒素分子が固定
(窒素固定) されたものに起源をもつ。生態系の窒素の65%は生物窒素固定によるものだといわれる。 エンドファイト窒素固定細菌という。
<無農薬農業>
連作障害防止にエンドファイトが役立つ。病害虫に強くなる。
<毒性>
エンドファイトが感染した植物による家畜の中毒については古くから知られている。