メモ

シリアル番号 表題 日付

1263

原子炉のシビアアクシデント

2010/01/05

2010/1/5放映 NHK BS2 世界ドキュメント「核の警鐘」2009フランス

フランスでは住民が知らない間に技術者達が住民に情報を開示することなく原発を多量に建設してしまった。チェルノブイリ事故の時フランス政府は放射能雲が来たことを住民には知らせなかった。(森永教授によればドイツは1日遅れで公表)

こうして建設された59基のPWR炉が老朽化するなか、安全情報を住民と共有する試みが始まっている。

フランスのフェディス研究所でスリーマイル島の炉心溶融再現実験を溶融炉心模擬物質(コリウム)を使って行った。ジルコニウム被覆、制御棒も一緒に溶けるので想定融点2,800oCより融点は600oC低くなることが判明。

何らかのシビアアクシデントが生じ、放射性ヨウ素が圧力容器から放出され、格納容器の内圧が高まるとコンクリート製格納容器の壁を透過し外気に放散される。

また老朽化したコンクリート製格納容器は内圧に耐えられない恐れがあるため砂を吸着剤につかった吸着層経由圧力放散塔から大気放散する改造がなされている。

シビアアクシデントが生じたら行政機関が中心となって住民の避難とヨード剤の服用をするマニュアルを作り、実際に避難訓練が行われた。ヨード剤は原発から半径500km内の住民には備蓄を薦める。



東大の原子炉設計工学岡芳明研究室の研究テーマ

原子炉のシビアアクシデントにおいて懸念されている蒸気爆発は、強い衝撃波を伴うためその機械的エネルギーによって圧力容器や格納容器を破損することが考えられる。粒子法(MovingParticle Semi-implicit, MPS Method)を用いた溶融物細粒化過程の2次元シミュレーションより、溶融物細粒化のメカニズムとしてCiccarelli-Frostの仮説が妥当であることが示された。

原子炉のシビアアクシデントでは、溶融炉心が格納容器内のコンクリート床上に落下すると、コンクリートが高温の溶融炉心によって熱分解すると考えられている。コンクリートは熱分解すると炭酸ガスなどの非凝縮性ガスが発生するので、これを停止させなければやがて格納容器が破損する。粒子法による溶融炉心-コンクリート相互作用の解析を行っている。


トップ ページヘ