メモ

シリアル番号 表題 日付

1238

冤罪

2009/06/04

●1990年の足利事件で無期懲役が確定し服役していた菅谷利和さんが再審請求で4兆7000億人に1人を識別できる最新のDNA鑑定で無罪になる証拠があったと認定され釈放された。1990年当時のDNA鑑定(MCT118)は1000人に1.2人しか識別できない精度が低いものであった。また捜査段階で強引な尋問で自白を強要し、最高裁も再鑑定を何度か却下している。日本では一旦起訴されると有罪率は99.9%と非常に高く、冤罪は多いと推定される。これは検事、裁判官が終身雇用でミスをすることを極端に嫌うため有罪に持ってゆく確率が高くなるためであろう。

●同じころのMCT118DNA鑑定で自白もないのに死刑囚となり、無罪を主張しながら08年に森法務大臣のときに死刑執行された久間三千年も冤罪であった可能性が浮上し、近く弁護団が名誉回復の死後再審を要求するという。米国では精度の高い方法を使った鑑定で無罪を勝ち取った元死刑囚は237人いるという。

●刑法38条1項には「罪を犯す意思がない行為は、罰しない」と規定されているにもかかわらず、一国の首相である麻生某が小沢前代表秘書の政治資金処理についての国会答弁で「本人が正しいと思っていても間違っていた場合、逮捕される」といっているのは刑法38条1項に違反していると郷原信郎弁護士(元検事)は指摘し、これは戦前の治安維持法の世界を思わせるという。

●痴漢冤罪から身を守る理論武装:週間朝日6/12 2009

@痴漢と叫ばれても、落ち着いて否認する

A否認した後は、その場を立ち去ってかまわない。ただ腕などをつかまれているばあいは、検察が現行犯逮捕と拡大解釈する場合が多いのでふりほどいて立ち去る。なぜなら刑事訴訟法213条が「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」としているため。間違っても駅事務室などに行ってはいけない。警官がくれば手錠をはめられるだけである。ここから冤罪が始まるのだ。防衛医科大学教授が味わったコースである。

B立ち去れない状況になったら、逃げるのではないと説明する。無理に立ち去ろうとすると、殴り合いの騒動に発展する可能性がある。この場合は、住所氏名を明かし、名刺を渡して、逃げるのではないという姿勢を見せて立ち去る。必要なら免許証、身分証明書を提示して本人であることを証明する。「逃げるわけではない」と説明してなるべく早くその場から離れることが重要。被害女性がしつこくいうときは「名誉毀損で訴えますよ」と反論して牽制する。刑法230条では公然と「人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず」名誉毀損になると定められている。駅員が駆けつけ、事務室につれてゆこうとするかもしれない。

C駅員に指示されても立ち去ってかまわない。「関係ないから」と言って、必要なら駅員にも名刺をわたして立ち去る。後日警察から呼び出しがあったら、弁護士と対応策を練り、応じる。現行犯でないので証拠がなければ逮捕できない。

D駅員には強制力はないので従わなくてもよい。もしむりやり連れてゆこうとするときは「暴力罪で訴える」とか「賠償請求する」と反論する。

E警官が任意同行を求めても応じてはいけない。警官にパトカーに乗るようそくされても「ゆかない」、「帰る」の一点張りで通す。物理的に拘束しようとすれば「公務員職権乱用罪」という。刑法193条に「公務員がその職権を乱用して、人に義務のないことを行わせ、または権利この行使を妨害」することは公務員職権乱用罪としている。ただ無理に帰ろうとして立ち上がった拍子に警察官の体にぶつかったりすると公務執行妨害罪で逮捕されるので冷静に対応すること。または弁護士を呼ぶ手があるが普段から個人弁護士を用意しておくことが大切。

絶対にしてはいけないことは誠意を込めて話せば分かってもらえるという甘い考えを捨てること。


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