シリアル番号 | 表題 | 日付 |
1202 |
青酸配糖体 |
2008/07/07 |
Cyanogenic glycosides
シアンヒドリン配糖体ともよばれ、糖に青酸が結合したもの。
梅、アーモンド、アンズ、びわの実、さくらんぼ、すもも(プラム)、キイチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、モモ、リンゴ、カリン、アーモンドなどバラ科の植物の未熟の果実に含まれるアミグダリン(Amygdalin)は、主に植物性の自然毒である。バラ科の種子に多く、果肉、葉、樹皮にも含まれまれ同じ青酸配糖体のプルナシン(Prunasin )も含む。豆科の種子にも多く、果肉、葉、樹皮にも含み、キャッサバ(トウダイグサ科)、ギンナン、せり、フキ、竹の子などの野菜類、玄米、ヒエ、アワ、ソバなどの穀類にも極微量ながら含まれる。
アジサイの葉にも含まれる。
これらを生食すると腸内細菌のβーグルコシダーゼの働きによって糖が切り離され、さらに分解酵素であるヒドロキシニトリルリアーゼ(他の物質の反応速度を変化させる物質、触媒する酵素)の作用を受けてヒドロキシニトリル(HN)、シアノヒドリン(ケトンまたはアルデヒドにシアン化物イオンが付加したもの)を生じ、徐々に加水分解され青酸(HCN:シアン化水素)を生じる。シアン化合物の致死量は体重あたり 0.5から3mg/kgである。
果実は成熟するにともなって果肉中のエムルシンにより分解されて時間が経つにつれ毒素が消えるが種子の核内の青酸配糖体はほとんど分解せずに残っている場合があるので、生食で種を噛み砕かないようにする必要がある。茹でる、揚げる、炒めるなどの加熱処理により毒素をなくす処理ができる。
杏(あんず)の種の中のナッツ。それを粉状にしたのが杏仁粉(きょうにんこ)で杏仁豆腐(あんにんとうふ)の香りの元になっている。仁にある毒素は、青酸配糖体のアミダグリンであるが
砂糖によって無毒化する。