シリアル番号 | 表題 | 日付 |
1191 |
リン資源 |
2008/05/02 |
リンは生命になくてはならない元素であるが産地が決っていて、供給に不安がある。
リン鉱石は昔の野鳥のねぐらに溜まった膨大な糞の化石だと聞いた。1986年とある製薬会社の工場用地の調査のためウィルミントンを訪問したとき、リン鉱石が枯渇したため、閉鎖された鉱石出荷拠点の廃墟を視察したことがある。
リンは元素だから合成できない。世界のリン採掘可能なリン鉱石は180億t。現在の消費量でR/P=180/0.4=450年。今後の人口増を見込めば300年というところである。それ以後は人類は下水からの回収リサイクルが必要となる。
このような経験からかねがねリン価格がいつ高騰するのか気がかりであったが、ついにバイオ燃料ブーム、人口増による世界的な穀物増産で肥料の原料価格が高騰したという。2008年3月のリン鉱石の価格は38,000円/トンとなり、2007年の7,600円/トンの5倍に高騰した。
2010年12月、世界の3割を輸出する中国はリン酸アンモニウムの輸出関税を110%に上げた。
Rev. December 3, 2010