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1188

フェルミ推定

2008/04/06

フェルミ推定とは問題をいくつかの要素に分解して、それぞれの要素に近いと思われる数値を当てはめて、論理的に合成して解答を得る手法である。

フェルミ推定は、いくつもの仮定に基づいて、掛け算していくため、1桁2桁程度はたちまち誤差を起こしてしまう。一つの問題をいくつもの角度から考えることが、答えの精度を上げるためには必要なことになる。

フェルミ推定が最近脚光を浴びるようになってきたのは、マイクロソフトやコンサルティング会社が入社試験にフェルミ推定の問題を出すと言われるようになってきたからという。日本ではフェルミ推定の問題を解く力を地頭力とよぶと梅雪さんに教わった。「ジアタマ・デバイド」という言葉もあるという。

フェルミ推定は問題を要素に分解し、要素を掛け合わせて答えを得るという点で、非線形で反還元主義という複雑系の対極をなすやり方。フェルミ推定ではそれぞれの要素が相互に作用して、「自己組織化」したり、「創発」を引き起こしたりなどとは考えない。その点シンプルでわかりやすい。

NHKの地頭力の番組をみていた我が女房が「貴方は記憶力がわるく、悪筆で、人を傷つけることも平気で、よく会社でやってゆけると思っていたが、地頭力で生き抜いてきたのでしょう」と指摘されて合点が行った。

多様な知識を記憶するより、ロジックで考えて少ない情報をもとにして未知の体系を白紙に描いてしまうというくせは、勉強が嫌いで、調査もきらいで、調査に時間を費やすくらいなら、自分で組み立ててしまったほうが効率がよいうといういわば怠け者の処世術から生まれてくると思う。

そもそも20年前に自家用車を手放して高価なマッキントッシを買ったのも悪筆を補うためだった。

いまではインターネットで知らないことも簡単に調べることができるから、若い世代は地頭力を磨くチャンス はすくないのではないか。希少価値だから企業が鳴り物入りで求める時代になったのか?


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