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1140

鉄鋼産業の概況

2007/07/13

2007/7/10鎌倉プロバスクラブでの福原会員の卓話

世界の粗鋼生産は1989年の800万トンをピークにして1999年にこの大台を回復するまで減産していたが、その後は順調に伸び2005年には1,100万トンを達成した。

鋼材市況も1970-80年代の水準を回復した。2002年にトン4万円まで下落した厚板は2,004年から急上昇し、トン8万円となり、スクラップもトン3万円まで上昇して、盗難騒ぎを引き起こしている。

日本は世界の4,000m3以上の高炉28基中18基を所有し、粗鋼生産では世界でも高い効率を誇っている。また連続鋳造プロセスを確立して省エネルギー技術も持っている。

しかし韓国のポスコが流動炉と溶融炉を使う脱高炉を実用化して追い上げている。

中国では上海宝鋼集団以外は弱小で数百m3小規模高炉が乱立し、今後、どのように展開するのかみえていない。

一方ヨーロッパでは世界の大富豪、1位のビル・ゲイツ、2位の投資家ウォーレンバフェットにつぐ3位のインド人富豪、ラクシュミ・ミッタルが所有するオランダのミッタルスチールが吸収合併で急成長し、世界第一位にな った。2007/6には二位のフランスのアルセロールを合併してアルセロール・ミッタルとなり二位の新日鉄を大きく引き離してしまった。四位の日本のJFEスチールを加えても適わない規模である。ちなみに三位は韓国のポスコ、五位は上海宝鋼集団、六位がUSスチールである。

新日鉄の優れた技術がほしいミッタルは虎視眈々と吸収の機会を狙っていると恐れられている。


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