メモ

シリアル番号 表題 日付

1135

オルチャ渓谷

2007/07/06

トスカナ州シエナ市の南東30〜60kmにある世界遺産ヴァル・ドルチャ(Val d'Orcia)。

トスカナ地方の丘陵地帯は、糸杉(cipresso)の並木や穀物、ぶどう、オリーブなどの畑が広がる牧歌的な田園地帯として知られる。このうちシエナの南に広がる起伏に富んだ丘陵は、クレーテ・セネージ(Crete Senesi)と呼ばれるシエナ地方特有の粘土質土壌で、浸食が進んだカランキ(calanchi)と呼ばれる雨裂の連なる荒地や、ビアンカネ(biancane)と呼ばれる白亜の粘土丘が見られる。耕作には適していないが、中世以来、メッザドリア(mezzadria)とよばれる折半小作制が行われ、長い間の人間の活動により田園が広がった。小麦とブドウ、オリーブなどの樹木を同一の耕地で栽培する混合耕作により、丘の斜面にぶどう畑とオリーブ畑が交互に見える典型的な景観がつくられてきた。近年は、アグリトゥリズモ(agriturismo)と呼ばれる田園での滞在型観光が普及しており、多くの農園が宿泊施設を経営している。

NHK


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