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1119

日本の林業の現状

2007/04/19

日本には1,000万ヘクタールもの植林地がある。

中国の経済的な発展に伴い、外材と内材の価格が逆転した。伐採には伐採機械を使って皆伐方式を採用し、山肌に促成の林道をつけてキャタピラトラックで搬出するため、実現した価格構造である。

この特需が持続的なものか見極めがつかないので100ヘクタールを皆伐しても植林をしていないため、広葉樹が生えてくるまでの期間、促成の林道から土砂崩れが発生している。

また国内の木造建築は乾燥窯で水分含有量を13%程度まで下げた外材を製材工場で精密カットしたものを現場に運び、組み立てる方式に移ってしまっている。ところが国内の零細林業・製材業者は乾燥窯に投資する資金もなく、65%の水分含有量の生木を製材している。そのため製材後、そりが発生して現在の 乾燥木材を使う建築方式になれてしまった大工は建築材として使うことができない。このため、折角の特需で利益を手にすることができていない。

NHK-TV

天然乾燥で水分含有量を13%程度まで下げるには12年寝かせねばならない。強制乾燥(キルンドライ)ならこれを数週間に短縮できる。

中温加熱方式はスチーム乾燥窯を使い、水蒸気で70-80oCを数週間(約2週間)維持して乾燥させる。 設備投資が大きいのでボイラーと乾燥窯を連続使用できる場合にのみ利用可能である。燃料は製材屑を使い、発電した廃蒸気を使って経済性を高めている。フィンランドの大型設備では乾燥窯は20基も並んでいて毎日順繰りに入れ替えている。規模がなければ安くはできないわけで日本の林業も集約化して外材に 対抗する仕組みが必要である。

高温加熱方式は、高周波被爆、 燻製・熱風型乾燥窯方式がある。数時間で100oC、24時間で130oC、12時間で212oCに昇温し 、数時間保持して含水率をほぼ0%まで下げ、散水して80-90oCに冷却・加湿する。乾燥後、再製材が必要で歩留まりが悪い。

いずれも窯から出した木材は数週間自然乾燥させる。

Rev. April 2, 2008


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