シリアル番号 | 表題 | 日付 |
1109 |
退職症候群 |
2007/04/02 |
集団と個人の関係は次の3つに分類できる。
@少数意見を持ちそれを表現する・・・極めて少ないかゼロ
A少数意見を持ち、沈黙する・・・集団の内外の状況によって増減する・・・退職症候群予備軍
B多数意見に順応し、それに従う・・・常に大多数
退職症候群(retirement syndrome)は退職後に意見が変るのではなく、意見は現役のときから多数派のそれと対立していて変らず、退職後に沈黙を破る行動をいう。
日本のように個人が集団に高度に組み込まれていると意見の強制的同化、圧殺、個人の自由の極端な制限をともなうが、米国では自由な精神の証として退職症候群がしなしば発現する。
実例としてアイゼンハウアー元大統領の「産軍複合体」、マクナマラ元長官の「マクナマラ回顧録」b615、パウエル元長官のイラク戦批判などである。
加藤周一「夕日妄言」朝日夕刊2007/3/26