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1068

伸縮性収縮と筋肉疲労

2006/08/17

登山において心臓、肺臓にかかる負担や疲労は「登山と巡礼のエネルギー考察」で述べたとおりである。これによれば登りは下りのほぼ2倍エネルギーを消耗し、心拍数も2倍になる。

しかし太股の前面にある筋(大腿四頭筋)やふくらはぎの筋(下腿三頭筋)の疲労は登りのときより下りのほうが激しい。

この筋は登る時は長さが縮みながら力を出す「短縮性収縮」であるに対し、下るときは引き伸ばされながら力を出す「伸縮性収縮」であるためである。大腿四頭筋は伸縮性収縮をくり返すと筋肉細胞が壊れ、筋肉痛を生じる。筋肉細胞が壊れたとき血液にでてくるCPK(クレアチン燐酸イナーゼ)という物質の血中濃度は1,000m登っても前後で60前後であるが、1,000m下ったときは170まで上昇するのがなによりの証拠である。

このため伸縮性収縮後、筋力は運動前の50%まで下がり、回復に約1週間かかる。下りで転倒するのは脚力減少により体重を支えられなくなるためである。


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