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1067

動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)

2006/08/13

体温恒常性維持のために手足の動脈と静脈を直結させるバイパスを動静脈吻合という。通常は動静脈吻合は閉じており、手足の血流は毛細血管経由で流れている。しかし、睡眠時に体温を2度C下げるために動静脈吻合が開き、手足への血流が増えて、手足の温度が上がり、放熱するために体温は下がる。こうして深い眠りに入ることができる。

不眠症になると寝入りばなの深い眠りの時に分泌される成長ホルモンの恩恵を得られなく、老化が進む。不眠症は手足の動静脈吻合を開けさせることで解消できる。

動静脈吻合を開けさせるためには就眠10分前に手の指をそろえてイナバウアー的屈伸運動、つま先の伸び上がり運動、各10回を行うと有効である。下肢温浴という局所加温も有効である。

動静脈吻合とは関係ないが、頭を水枕で直接冷却することも睡眠誘発として有効である。

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動静脈吻合は男性の性機能にも関連ある。Conti (1952 ) の仮説によれば血流は非勃起時には動静脈吻合を通り、海綿体に流入しない。 勃起時にはこの動静脈吻合が閉じて血流は海綿体に流れ込み、更に、陰茎海綿体からの流出静脈をもその内腔を閉じて海綿体からの血流を阻止する。

化学プラントの温度制御のためにもバイパス弁を使うことがしばしばある。これは設計者の工夫の結果であるが、動静脈吻合も進化の過程で生物が獲得した必然なのであろう。


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