シリアル番号 | 表題 | 日付 |
1060 |
シャルガフの法則 |
2006/07/25 |
その量は種によって異なり、したがって塩基の量も種で異なるが、どの生物を見ても、A の量はTの量と、Cの量はGの量とほとんどぴったり同じであることが分かった。これを塩基対合におけるシャルガフの法則という。
シャルガフの法則とロザリンド・フランクリンのX線解析像を根拠にワトソンとクリックがDNAの二重螺旋構造の発見と複製の原理を説き明かしたのである。これはワトソンとクリックが採用した想像にふけったり、当て 推量したりする理論物理学的様式をシャルガフが嫌ったためであるという。
アーウィン・シャルガフはウィーン生まれ。折角生命の神秘に近づきながら大きな魚を逃がした無念さを彼は自伝のなかで「大部分の人は賢く必然的なものを賞賛する。しかし私は、どういうわけか、敗北者側にいることを愛している」と書いている。
エマニュエル・ダーマン「物理学者、ウォール街を往く」
Rev. October 23, 2008