シリアル番号 | 表題 | 日付 |
1005 |
鳥たちの失楽園 |
2005/12/11 |
世界に9,000種存在する鳥類の九割以上が一夫一妻のつがいで子育てをおこなうと思われていた。「オシドリ夫婦」とか「鴛鴦(えんおう)の契り」の言葉通り、鳥は貞節の見本とされてきた。
しかし個体識別が可能となった1960年以降、鳥にも不倫があるということがわかってきた。いわゆる「婚外交尾」(extra pair coupulation、EPC)というものだ。これに対しつがい同士の交尾を「婚内交尾」(pair coupulation、PC)という。
そのような例は当初アマサギ、モズ、ツバメではじめ観察され、DNA鑑定で確認されたが、今ではほとんどの鳥で婚外交尾があることがわかってきた。
つがいのオスとメスはそれぞれ利己的に己の遺伝子の質と数を最大にするように振舞っているに過ぎないのだ。
ー中央公論四月号 元京都大学教授、現山階鳥類研究所長 山岸哲(さとし)
山木会でS.K.が教えてくれた。