メモ

シリアル番号 表題 日付

178

ピロリ菌

94/7/4

●オーストラリア・パースのパースの病理学者ウォレンが発見。胃に住む細菌で胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因の80%となっているとWHOの下部機構の国際ガン研究機関のIARCが認定。米国のマーシャルが培養に成功。5%の酸素下でしか増殖しない。ウレアーゼを持っており、尿素をアンモニアと炭酸ガスに変える。またサイト・トキシンを出す。尿素を分解したアンモニアまたは炭酸ガスを分析してピロリの検出。C13同位元素の尿素も検査に使う。

●日本では保険の対象外。現在2剤療法が治験中。(95/8/27のNHK番組)

●日本人の高令者の感染率は世界最高で約85%、日本人の若年層の感染率は欧米並み約20%。発展途上国は100%。先進国は50%止り。

●正式名ヘリコバクター・ピロリ菌(H. Pylori)、-ヘリコ:ラセン状のベン毛を持っている、-バクター:棒状の菌、-ピロリ:幽門

●ピロリ菌の分泌するアンモニアが慢性胃炎を起こしていけないとのこと

●NIHは消化性潰瘍発症、再発につよい相関関係があるとし、この撲滅のために坑潰瘍剤と坑菌剤の併用を推奨。飲料水が感染経路として疑われている

●制酸剤と抗生物質(2種)の併用で治療可能(3剤療法)

●坑潰瘍剤、制酸剤=プロトン・ポンプ阻害剤(PPI)=H2ブロッカーとしてはオメプラゾール(アストラ社)、ラニチジンなどが3剤療法に使われる。

●坑菌剤としてはクラリスロマイシンとメトロダニゾールが欧米では3剤療法に使われる。アモキシシリン(大正製薬からライセンスを受けたアボット社はバイアキシン)、アストラメルクが英国応用微生物研の坑菌ペプチドを商品化したバクテリオシン(アンビシン)もある。

●お茶の成分のポリフェノールがピロリ菌の増殖を抑えることができる。

●胃癌の原因にもなっている。ハワイの野村教授の保存血液で証明。

●2005年になってアレルギー反応を抑えるにはピロリ菌が役たっているのではという考えもでてきた。

●2007年にピロリ菌は深海の熱水放出口まわりに生息する硫化水素をエネルギー源にしている微生物の直接の子孫であることがDNAから確認されたという。

Rev. July 11, 2007


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