メモ

シリアル番号 表題 日付

154

犬の話

95/1/15

●ブリティッシコロンビア大心理学教授のスタンレー・コレン(Stanley Coren)著デキのいい犬、わるい犬(文芸春秋社刊)によれば「服従・作業知能」に関する北米の208人の専門家対象のアンケート調査結果では133種の犬のうち上位はボーダー・コリー、プードル、ジャーマンシェパードなどで最下位はアフガンハウンドだった。しかし手間暇かけて個性を引き出せば立派な犬になるという。

●アンジェラグード編「犬たちをめぐる小さな物語」(日本放送協会)一話「命を張る」より。犬の飼い主が牧場で暴れ牛に襲われた。「デキのいい」ボーダーコリーらは主人の言い付けを守って車の荷台から一歩も動かない。だが、一頭の雑種犬ドグが猛然と牛に突進し、血まみれになって主人を救出した。「ドクをここまで闘わせたものは、いったい何だったのだろうか」。

考察

人間に都合のよいように教育すると教育したようにしか行動できない犬をつくってしまう。
これに引替え愛情のもと自由に育った犬は本能に従い、危機に陥った仲間を助ける行動が自動的に発動される。犬も我々人間も、悠久の時間のもとにこのように進化し本能としてプログラムされているのである。

一時の浅知恵による教育の愚かさが垣間見えるようにもおもえるが、しかし単一の機能に統一した何種類の犬を人間の目的のためにシステムとして使うことはそれはそれで人間の賢さの現われである。こころがけねばならぬのは、雑種犬もちりばめておけばなおよろしいということか。


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