シリアル番号 | 表題 | 日付 |
131 |
愚か者ヨハの物語 |
94/5/1 |
ヨハは砂漠に住んでいた。その生涯に3度だけ都会にでてきたことがあって3度とも「私が何を言おうとしているかわかっていたら当ててみろ」といったとのこと。
最初にヨハが来たときには町人たちは「わからない」と答えた。するとヨハは「無知な者たちよ」と言い捨てて砂漠に帰ってしまったという。
幾年かたって再びそのヨハが来ると今度は町人たちは「わかっているさ」と答えたところ、ヨハは「それなら私は必要ないだろう」といってまた砂漠に帰ってしまった。
3度目にヨハがやって来たとき、町人の半分は「わかっている」とこたえ、残りの半分は「わからない」と答えた。ヨハは「ならば、わかっている人がわからない人に教えればいいだろう」と言い残して砂漠に姿を消すと2度と現われることはなかった。