メモ

シリアル番号 表題 日付

112

クレオール

93/11/22

●19世紀終わり頃言語学者D・ビッカートンによるとハワイをはじめ世界各地で独自形成された移民二世による新言語クレオールは語彙は違っていても文法構造が類似しているという。

●ピジョン語はプリミティヴで、一世が使う言語で一代限りだが、クレオール言語は何世代にも受け継がれる。

●子供だけのコロニーの形成がクレオール誕生の条件。遺伝子レベルの言語構造の解発か。

●言語学者ノーム・チョムスキーの生成文法、ローレンツの刷り込み理論が参考となる。チョムスキーは言語を学習するための遺伝的青写真「普遍文法」あるいは「生成文法」があるとと言ってからクレオール文法がこれに近い構造をしていることに人々が気がついた。

●例として
*一定の語順すなわち主語ー動詞ー目的語の語順。疑問形でも変わらず。主動詞に先立つ接頭辞や助動詞の語順も同じ。
*主動詞に先立つ接頭辞や助動詞で否定、前時制、条件法を表す。
*完了形、進行形あり。
*二重否定形がある。(子供が得意)
*複数の人称代名詞
*関係詞に導かれた節
*前時制の指示
*前置詞

●実例としてインドネシア語がそれ。

●Jared Diamondによる著書The Third Chimpanzeeによる。

●明治11年(1878)ろう学校が創立されてから自然発生的に日本手話が誕生した。これはてにをははなく、語順も異なる。いわば日本語文法に従わないクレオール文法にしたがう。したがって「普遍文法」に従う自然言語とされる。日本語の語順に従って手話単語を並べたものは日本語対応手話またはシムコム(simultaneous communication, sim-com)とよばれ、簡略化のため自然言語とはいえずピジョン語に分類される。酒井邦嘉著「言語の脳科学


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