読書録

シリアル番号 865

書名

道具づくし

著者

別役実

出版社

早川書房

ジャンル

ジョーク集

発行日

2001/1/31発行

購入日

2007/7/3

評価

高校の同期生の別役氏は不条理劇を書いている劇作家でかなり成功しているらしいという生齧りの知識をもったまま、同期会などで時々合ったりしている。 彼の奥さんは女優の楠木侑子という人だと聞いた。別役氏は友人には出家したちともらしているようだがなかなかそうもゆかないらしい。

一度「当世悪魔の辞典」を読んで楽しませてもらっただけで彼の劇を観に東京まで高い交通費を支払って出向く気力まではわいてこない。とはいえ気になる存在なのでたまたま新聞でこの著作を知り、書店に注文した。「当世悪魔の辞典」の流れを汲むジョーク集である。よくもまあシャーシャーとしてかけるなーと思うが、これは本人の地で、普通に話していてもこんな調子なのである。

「とぜんそう」など有名で教科書にも採用されているが、「あとがき」がよかった。読者のかなりの部分はあとがきから読む習性を見抜いて、一番傑作をあとがきと称して挿入したのではないかと疑っている。冒頭にある「おいとけさま」も人間の習性をするどく観察して納得のゆく話だった。


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