読書録

シリアル番号 624

書名

トンデモ科学の見破りかた

著者

ロバート・アーリック

出版社

草思社

ジャンル

サイエンス

発行日

2004/2/20第1刷

購入日

2004/4/20

評価

原題:Nine Crazy Ideas in Science by Robert Ehrlich

米ジョージ・メイソン大学物理学教授

科学の主流になる仮説と間違っている仮説の判別法を9つの例によって解説している。

コーネル大学の天文学者、トーマス・ゴールドが石炭・石油・天然ガスなど化石燃料とされているものは実は生物由来の化石ではなく地球が宇宙のチリから形成されたその歴史の当初から存在したという説は地質学者から反発されているが、実はこれが正しいと論破している。

この仮説が正しければ、石油資源は現在考えられているものより多量に存在することになる。著者はこの仮説が本当であって誰が困るといえば化石燃料供 給産業で、枯渇するかもしれないと思わせていたほうが、利益を得られるから石油産業に従事する地質学者がこの仮説に反発するのだという。

たしかに地殻深くには多量の炭化水素があったとしてもこれが拡散によって人類が採掘できる深さまで出てくる速度が有限で、今のままの消費を続けれ ば、やはり採掘は困難になるわけでこの仮説をむきになって否定するのはなぜかわからない。多分学者としての保身が一番なのだろう。

グリーンウッド氏は長年天然ガス開発プロジェクトに携わり、ロバート・アーリック氏のこの仮説がインチキだという根拠はゼロという判定を信じる者である。

しかしシェールガスブームをみていると、少なくともシェールガスは生物由来と思える。詳しくはメモ1133

Rev. November 27, 2012


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