読書録

シリアル番号 543

書名

アルマダの戦い スペイン無敵艦隊の悲劇

著者

マイケル・ルイス

出版社

新評論

ジャンル

歴史

発行日

1996/10/15初版

購入日

2002/12/22

評価

原題:The Spanish Armada by Michal Lewis

レパントの海戦を読んだあと。同じフエリペ2世がはじめたもう一方の有名な海戦についても学ぼうと腰越図書館で借りる。


英国海軍軍人が書いた1588年フエリペ2世とエリザベス1世の間で戦われた海戦の公平な記述。

大西洋では長波長の荒れ海でガレー船は役に立たず、帆船、丸船のガレオン船が使われた。しかもガレオン船はヘンリー八世が始めた舷側砲をフルに使うという長所を持っていた。スペインは貴族が中心で飛び道具のような平民の武器は軽蔑し、肉弾壱戦こそ戦力だと考えていたので舷側砲の性能は劣っていた。肉弾戦のためには砲を帆に向かって撃ち船足を止め、接近して敵船に乗り移る戦略を取る。一方のイギリスは離れたところから砲を下に向けて撃ち、船を転覆させるか木っ端微塵にするという新しい戦法をとった。しかし当時の大砲では大きな戦果は得られなかった。英国の勝利は常に風上に立ちスペイン艦隊を北海に追いやることでなされた。スペインの兵士3万人のうち2万人が敗走する艦隊がスコットランドの北を大回りし、アイルランドの西岸に座礁して失われた。

英国はこの戦勝により自信を得た。


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