読書録

シリアル番号 542

書名

レパントの海戦

著者

塩野七生

出版社

新潮文庫

ジャンル

歴史

発行日

1991/6/25発行
1995/8/5第13刷

購入日

2002/12/16

評価

レパントの海戦はトラファルガー海戦、日本海海戦とならんでその圧倒的勝利と歴史に与えた影響の大きさで俗に三大海戦の一つとされるとどこかで読んだ記憶がある。何時どこで誰と誰が戦ったか興味を持って、腰越図書館で借りる。

1571年、スペイン王フィリペ2世率いるキリスト教連合艦隊(主力はベネツィアとスペイン)が無敵トルコを破った海戦で、コンスタンチノープル陥落後118年にしてトルコの地中海制覇の野望はついえた。皮肉なことにこれを境に海洋国家ベネッツイアも地中海も歴史の舞台から退場することになる。

レパントの海戦はローマ時代から地中海で使われた櫓櫂、平底のガレー船が使われた最後の海戦であった。

連合艦隊の総司令官はスペイン王フィリペ2世の妾腹の弟ドン・ファン(フランス語でドン・ユアン、ドイツ語でドン・ジョヴァンニ)が勤めた。後にドンキホーテを書く若きセルバンテスが兵士として参戦していたことでも知られる。そもそもフィリペ2世はスペインがその絶頂に居た時の君主でアメリカから入る富をつぎ込んだ無敵艦隊をエリザベスに差し向けて負けたアルマダの戦いでも有名である。

このドン・ファンは1630年頃、ティルソ・デ・モリナが書いたセビーリアの色事師のモデルになったわけではないが、指揮官ノドン・ファンは多少そのようなイメージがある。モーツアルトのオペラ、ドン・ジョヴァンニは同系列の女たらしのストーリーである。


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