読書録

シリアル番号 392

書名

ヨーロッパ帝国主義の謎

著者

アルフレッド・W.・クロスビー

出版社

岩波書店

ジャンル

歴史

発行日

1998/4/24第1刷

購入日

1998/06/29

評価

原題:ECOLOGICAL IMPERIALISM、原副題:The Biological Expansion of Europe, 900-1900

日本訳の書名では誤解を生むかもしれないが、ヨーロッパの成功と、日本がかろうじて踏みとどまった深い理由も込めて訳したのか。

「疫病と世界史」(新潮社)にでてくるマクニールの法則(McNeil, Plagues and Peoples, 1983)など疫病の重要性はわかっていることであるが、改めて 高い視点から統一的に語られるとヨーロッパの生態学的成功の謎が初めてわかったという気になる。最近の知識に基き、病原菌を含む壮大な生体系によって説明 されるストーリーは説得力がある。

鄭和の歴史的偉業とその後の海禁政策についてもしっかりふれている。

H・G・ウエルズの「世界史概観」以降科学者によって書かれた歴 史書のなかでは、J・ダイアモンドの「人間はどこまでチンパン ジーか」とともに一読をおすすめする一書である。2005年、息子の書庫から再発見

Rev. November 6, 2011


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