読書録

シリアル番号 1348

書名

国産ロケットはなぜ堕ちるのか H-IIA開発と失敗の真相

著者

松浦普也(しんや)

出版社

日経BP

ジャンル

技術

発行日

2004/2/9第1刷

購入日

2018/08/30

評価



副島隆彦の「人類の月面着陸はなかったろう論」を読んで疑問をもち自分で調べ、人類は月面に立っていたと結論つけたがJAXAは何しているか気になって 「国産ロケットはなぜ堕ちるのか H-IIA開発と失敗の真相」を鎌倉図書館から借りた。JAXAは一時期沢山失敗した。しかしほとんどは技術的トラブル であった。例えば2003年、I−IIAの6号機の固体ブースターの1機が離脱できず、打ち上げ失敗。原因は噴射ノズルが破損し、周辺の切り離しボルトの 火薬着火電線が焼き切れたこと。ベル型ではなく、円錐型ノズルにしたことがノズル破損の理由。他にも火星探索船が長期の航海の間に太陽フレア―を受けた電 源系の故障も経験している。

これら失敗はオリジナル設計の場合、20%くらいの失敗は当然といえる。でもJAXA直轄をやめてMHIの請負制にしたらトラブルが減ったのを見ると失敗の原因は官僚統制管理体制が第一の原因とわかる。特に職員2年のローテーションは理系をダメにする。

自分で考えず米国に盲従の方針も米国に生血を喫われるだけ。失敗したNASAのISSに日本は3100億円つぎ込んで成果はゼロ。中国は自分の頭で考え独自路線をとった。なぜなら国の指導者が理系だから。日本も独立国として自分の頭を使う必要あり。

日本は独自の偵察衛星を打ち上げたが、宇宙ゴミの危険回避のため、人工衛星の軌道はゴタード宇宙センターがきめた2行軌道要素形式(Two Line Elements)の書式で世界中に公表されている。だから日本の偵察衛星だけが隠密行動できない。これすらわからないでスパイ衛星を無理して打ち上げ た。これが有効利用されたという形跡がない。一つしかない日本の衛星に偵察されるのが嫌な国は日本の衛星が上空に不在な時を選んで軍事行動するばいいだけ のこと。(2018年で増えていて日本の偵察衛星は光学2基、レーダー4基の計6基が稼働していて、かわりばんこに某国の上空をとんでいるそうだ。ただ衛星の寿命は5年程度で、つねに追加打ち上げが必要になる。)

日本人にも独創性はある、問題は教養に裏付けられたマネジメントがないことだ。教養とは幅広い雑学の集積だ。従って日本は無教養社会ということになる。

文系の知識は「人間をコントロールする知識」しか興味ない。理系の知識は「人間存在以外を理解するためのもの」である。したがって理工系の教養のない文系 人間に権力を与えても世界をコントロール能力は失われたまま。理系はたんなる奴隷に貶められてその創造性は封殺される。そのようなことに頭も回らず無教養な政治家に投票している 国民の無教養こそが日本が世界で落伍してゆく真の原因だろう。

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