読書録

シリアル番号 1246

書名

日本人、台湾を拓く

著者

楠木榮、片倉佳史他

出版社

有限会社まどか出版

ジャンル

伝記

発行日

2013/1/23第1刷

購入日

2015/09/18

評価



台湾で活躍したとされる日本人のなかで、今でも東大で土木工学を学んだ八田與一氏が台湾の人々に感謝され、札幌農学校卒の農学者で「武士道」で欧米で有名 になり、国際連盟の事務次長まで務めた新渡戸稲造が台湾では全く忘れられているのは正当な理由があるのではという私の疑問を知り合いの野口周一氏に質問し たことからから一部コピーでいただき読む。

八田與一氏のことは台湾一周旅行の 時に現地のバスガイドから台湾の不毛の嘉南平原を豊かな穀倉地帯に変えたに嘉南ダムを含む巨大灌漑システムを構築した功労者と教えてもらった。もしかした ら彼が東北大の我が恩師の恩師八田四郎次の親族ではないかと八田四郎次の息子さんに確認して従弟であったということを後に知った。

新渡戸稲造は後藤新平に乞われて台湾の製糖業振興のために数年農学者としてはたらいただけで、すぐ京大の教授に転出していて実質的な貢献はしていないとわ かった。製糖産業も戦後は消えてしまった。しかしその後の新渡戸の経歴は華麗で東京女子大の学長、一高の学長などを務めあげている。つれあいが講師をして いた新渡戸文化短期大学とうものまである。

この本はこの二人の他に台湾近代化の父・後藤新平、近代水道を敷設した・浜野弥四郎、環境型ダムを生んだ・鳥居信平、、蓬莱米を作った磯永吉と末永仁、電力利用を広げた・松木幹一郎、台湾紅茶を育てた・新井耕吉郎、古都・台南を守った市長・羽鳥又男らと扱っている。


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