読書録

シリアル番号 1097

書名

経済物理学の発見

著者

高安秀樹

出版社

光文社

ジャンル

経済学・数学・サイエンス

発行日

2004/9/20第1刷
2008/11/10第4刷

購入日

2012/01/04

評価



2011年3月11日、福島原発事故が発生した。過去の巨大事故を整理して原発事故はべき乗分布に なるこ とを証明できたので、これを査読付きの論文誌に投稿することになった。そのためには少し基礎を勉強しなければと科学技術振興機構に出かけた折り、丸善で購 入。

この本に括目すべきことが書いてある。化石エネルギーのような資源の分布べき分布になっているため価格が上がると資源量が増えるという現象が生じることは 知っていたが、人という資源も能力に関してはべき分布になっていると著者は推察している。例としてアインシュタインを上げている。とういことはべき分布に は平均値も標準偏差もないから人の能力評価として標準偏差をつかうのは意味がないと指摘している。

高安氏の「異常事象の発生確率のロングテール化とそのメカニズム」という講演は2011/12/13に学士会館で開催された日本工学アカデミーの会合で聴 講したため、そのおさらいとなった。

インフレが始まると日本のシニア世代の持っている1,000兆円の金融資産の10%を外貨に換えるだろう。そうすると1月位の間に100兆円が外貨に変わ る。そうすると為替レートが100円動く。ドル100円が200円になるので大勢が外貨を買いに走るため、円のハイパーインフレーションが始まる。

相続税は金融資産を高率にし、土地は低率にしないと土地の細分化が進行し国土が荒れる。

Rev. June 17, 2012


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