北海道電力のブラックアウトに ついて

地震直後の北海道電力の16分間の発電と需要パターンと周波数変化は下図のようになる。

9/6の3:08の地震直前の北海道電力は3,100MWを発電していた。地震直後苫東厚真2,4 (Toma2,4)1,210MWが停止。周波数が46Hzまで下がったため、一度目の1,240MWの強制停電(Load Shedding)を行い、本州からの電力融通(max600MW)を受けた。これで周波数は戻ったが、道民が地震に気づいて照明などのスイッチをいれた ため需給バランスが不安定になるも3:17-3:21にはバランスした。しかし3:21には苫東厚真1 (Toma1)の出力が300MWから200MWに低下。そこで二度目の160MWの強制停電を行い需給バランスはやや改善したが、結局苫東厚真1 (Toma1)が完全停止。この時点で強制的に停電できる地域を使い切っていたため、三度目の強制停電は60MWと小さすぎ、周波数が低下してそのとき加 工していたすべての発電所と本州からの融通も引き連れて遮断、すなわちブラックアウトに至る。



北電のミスは3段階の強制停電用に用意した電力が小さすぎたという単なるボケ計画が原因である。東電が福島原発で津波対策していなかったと同じ楽観的計画が原因。

私自身、ガスプラントで、電力会社の送電線が落雷で2系統全て停電してもプラント内の重要度の低い機器の強制停電をし重要な機器はバッテリーで動かすべく 事前に分類しておいき、不要なものは自動で瞬時にとめて、プラントの運転は継続し、非常用発電機が自動で立ち上げる音を聞いてから、とまった機械類を順次 手動で立ち上げる試験をしたことがあるので北海道電力はアホと思った次第。北の大地でのほほんと暮らしているとボケるんでしょうか。それに独占で苦労して いないからかなり傲慢で杜撰。身から出たサビでしょう。文部省と同じ。

私はミルクは福島事故以来、北海道工場で生産されたものしか買っていないが、このあおりで関東産しか売られていないのは残念。


泊原発について

よく泊原発が稼働していたら今回の北海道のブラックアウトは防げたという愚論がある。そもそも泊原発がなぜ規制委員会のOKが出ないかと言うと、近くに断 層があるためだということをご存じないからだろう。今回、厚真石炭火力が停まったのは断層に近かったためで、規制委員会の判断は妥当であろう。

仮に規制委員会の基準が満たされていれば電力会社はこの原発3基を夜間もフル運転させていたであろう。すなわち1,251MWがドンとベースロードに居座 るわけである。夜間需要の3,100MWの実に40%に相当する。その時、泊原発の近くの断層が動けば、メルトダウンが起らないまでもこれは確実に緊急停 止する。そのインパクトは今回の厚真石炭火力2,4号機の緊急停止に相当するインパクトで強制停電が今回の通りの計画であれば同じブラックアウトが生じた であろう。

そもそも強制停電の規模が小さかったのは泊原発への外部電源を維持したかったためという噂もある。ということは泊原発が諸悪の根源というわけ。

September 23, 2018


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