環境ホルモンについて


 

鎌倉や横須賀の飲料水の水源は丹沢に降った雨を集めた中津川にある宮ヶ瀬ダムである。下水は処理場から直接海に放流される。

横浜の飲料水は山中湖に発する相模川の城山ダムから取水している。下水は処理場から鶴見川や境川に放流。

東京の飲料水は78パーセントが利根川及び荒川の水で22%が多摩川の水だ。利根川の水は利根大堰で取水され、武蔵水路で 荒川に合流。荒川の水は秋ヶ瀬取水堰で取水され朝霞浄水場と東村山浄水場に送られる。多摩川の水は小作取水堰で取水され山口貯水池に、羽村取水堰で取水さ れた水は村山貯水池に送られる。両貯水池の水は荒川からの水と一緒に東村山浄水場で処理される。したがって東京都民は荒川と利根川の取水堰の上流の都市住 民の排泄物を処理した水を再浄化して飲んでいることになる。下水は下水処理して東京湾に放流。

東京都の取水堰の上流の都市住民のし尿には女性ホルモンがふくまれている。その他ビスフェノールAなどをなどの外因性内分泌攪乱化学物質endocrine disruptorも含まれている。


好気性微生物を使った下水処理

好気性微生物を使った下水処理でこれら環境ホルモンを分解できるか興味を持って文献調査した。活性汚泥を分離する本格的な好気性微生物処理ではこれら攪乱物 質は6時間で検出できなくなるが、活性汚泥も排水と一緒に流出する簡易型下水処理では無理であるという結論。これらはごく微量でも活性があるので出生率に影響し ているか興味がある。2016年の東京の出生率1.24に対し、神奈川の1.36は関係あるともいえるが如何?

若い世代は高い交通費を嫌って都心に住む傾向がある。この高い交通費+endocrine disruptorが人口減の要因かもしれない。

大阪と京都と滋賀県は琵琶湖の水を飲んでいるが大阪と京都の出生率は低いが滋賀県は高いのでそうとも言えない。ただ琵琶湖は川のように細長い。滋賀県の琵琶湖の上流部と下流部の出生率統計は無いので因果関係は分からない。


下水処理をドイツのようにメタン発酵にしたらどうなるか

さて下水処理をドイツのようにメタン発酵にしたらどうなるか?嫌気性微生物処理は時間がかかるため反応槽も巨大になり、温度維持も必要で、保温、熱交換器 も必要となる。大都市は迷惑施設の処理場の用地確保が困難で日本では使われない。田舎なら場所確保は比較的容易だが、補助金をもらうため厚生省系の設計 ビューローに設計してもらうため、メタン発酵が採用されることはありえない。こうしてこの方面の技術革新は絶望的である。そして環境ホルモンは充分分解されずに排水路に流出するという事態になるかもしれない。(ドイツではどうなのか?)

ましてや家庭のキッチンのシンクに粉砕機を設置して生ごみを粉砕して下水に流し込むことなどしたら好気性微生物を使った下水処理の負荷をあげてしまう。もし これが嫌気性処理ならすぐその能力が不足する事態になるだろう。ただ生ごみ焼却炉に使う補助燃料は不用になると言うメリットはあるのだが。

September 18, 2018


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