PRO/IIで作る

燃料用アンモニア冷凍サイクル・シミュレータ

グリーンウッド

カーボンフリー燃料としてアンモニア燃料 も多量海上輸送する場合はLPGと同じように冷凍にする必要がある。ここでは自己冷凍サイクルの必要動力を計算してみよう。

アンモニア生産量は1,540lbmol/h (751kgmol/h) アンモニアの分子量は17.03だから、12.8t/h。 供給条件25oCで沸点にある液体(バブルポイント)で無水。不純物組成は水素0.11%、メタン0.12%である。

PRO//IIは練習のテンプレートとしてのアンモニア合成を覗き、発明者の広浜氏から与えられたメタノール合成のフローを少し手直しして、発生動力と消費動力がバランスするように補助燃料の量を調整しながら計算を行っただけである。

グリーンウッドにとっては冷凍サイクル構築は白紙にフローシートを描く初めての経験であった。

アンモニアの自己冷凍サイクル

絵を描いたら次にどのような分子を扱うかリストから拾う作業をし、どのような熱力学的方程式を使うか指示する。最も一般的なものはSoave-Redlich-Kwongの式だ。 こうしてはじめて供給流量をインプットするのだ。リサイクルが99%以上ある収斂計算のために計算を始める各ストリームの初期値を適宜入力しておかないといけない。山勘で全てのストリームの初期値を入力しても、若い頃、手計算で苦しんだとおなじことを経験した。圧縮機の圧力を高めても、99%以上のリサイクルループのために水素やメタンなどの微量成分が廻り始めて半分も液化してくれない。やむを得ずコンデンサー出口で微量成分をベントすることにしてようやく収斂した。

2nd Compresserの吐出圧を30atmとして1st Flashの圧は5.5atmとした。温度は6.31oC。2nd Flashの圧は1atmである。コンデンサーの出口温度を35oCにとると3.5kgmol/hのベント量となる。水素が24mol%、メタンが26%で残りの50%がアンモニアである。

最終製品はほぼ100%のアンモニアで748kgmol/h、温度は-32.65oCとなる。アンモニアの燃焼熱は5.37kcal/g、分子量17.03だから、68.4Gcal/h。

1st Compressorの消費動力は164.7kW、2st Compressorの消費動力は389.69kWで、合計554.39kWとなる。

これを動かす動力の熱効率を40%とすると。必要燃料は1.19Gcal/hとなる。したがってアンモニアの冷凍に必要なエネルギーはアンモニアの1.74%となる。

天然ガスからアンモニア燃料へのエネルギー転換率が0.81の場合、天然ガスの1.41%が冷凍に必要なエネルギー収縮率となる。

April 4, 2009


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