日本の政治・経済の不調の原因

知優先社会は暗黙知を失い国は亡ぶ

追補ー13 グループ vs チーム


齋藤ウィリアム浩幸が日本でイノベーションが起きない理由または日本人が想定外の問題に対応できない本当の理由は「日本にはチームがないから」と指摘す る。“仲間”や“グループ”は同質の人間の集まりだ。異質または多様な人間の集まりをチームという。プロジェクトの成功はチーム・ビルディングだとメ ジャーの顧客は言っていたのを思い出す。

グループはインクリメンタルイノベーションをやっていくという面では合っている。高度成長の時 代にはグループはすごく合っていた。

イノベーションというのは、いろいろな研究や失敗の積み重ねの過程で「たまたま、運よく」生まれるもの。日本は残念ながら、多民族国家であるアメリカに比 べてダイバーシティーが非常に少ない。個々の頭脳レベルは高いけれど、組織の在り方は、ダイバーシティー に欠けている。年齢や性別に関係なく意見を普通に伝え、お互いに普通にコミュニケーションできる組織もめったにないし、そのような組織・企業風 土もない。悪いことは悪い、間違っていることは間違っている、リスクはリスクと、誰もが自然に言える環境にしないとまずい。そういったコミュニケーション がまともにできない結果が今の日本の閉塞感を招いている。

チームが動く根本は異質な人間同士がコミュニケーションして相互理解に達すること。遠慮なく、ちゃんと言うことを言うというのが基本。

イノベーションは失敗の積み重ねの末に生まれるものだ。しかし日本では減点主義の社会のため、失敗を恐れ過ぎて何も言えない、実行ができない。何をやるに しても、リスクをできるだけ少なくしようとして、自分の評価を下げないようにする。それはイコール、何もやらないことを意味する。国だけでなく、組織が問 題解決できないことの原因に、このチームの不在がある。

文系と理系は異質だ。お互いグループを作って、会話もしない。コミュニケーション能力は幼児教育からはじめないと身につかないところがある。

異質を尊重する風土が大切になる。その精神はシンディー・ローパー(Cyndy Lauper)の「トゥルー・カラーズ」(True Colors)だろう。

But I see your true colors
shining through
I see your true colors
and that's why I love you
so don7t be afraid to let them show
・・・

  October 17, 2012
Rev. October 27, 2012

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