第33回松談会

「日本を『Change』する 自治体散歩」

朝日新聞記者、鎌倉市長歴任、現日本インターネット新聞社社長竹内謙氏

2008年12月6日、 東慶寺書院

竹内謙氏 が注目して取材した地方自治の優れた実例。窮屈な自治制度のなかで果敢な改革に挑戦する市町村長たちがいま硬直化した日本の行政に風穴を開けつつある。

これらの情報は政治家志望、秘書志望、新聞記者志望などの学生を対象にした早稲田大学院公共経営研究科の授業の一環として行われたもののようだ。

地方自治体 成果 キーパーソン
北海道 栗山村 議会基本条例 橋場議長
北海道 福島町 一般質問の一問一答方式、議会の公開制度、議会のインターネット放送、政務調査費の公開、議事録の電磁記録化、ベストホームページ賞受賞、住民参加、青函トンネル記念館、横綱記念館など観光 議長
北海道 ニセコ町 自治基本条例、情報共有、机の上は滑走路、町長室日記、出前講座 逢坂正治町長(現衆議院議員)
山形県 金山町 議会の情報公開(国レベルでは国会と司法に情報公開法はない) 議長
岩手県 葛巻町 自然エネルギー導入、ミルクとワインとクリーンエネルギーの町、しかし2004年7月に総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会風力系統連系対策小委員会が出した中間報告に基づく「一定枠割当制度」「RPS(Renewables Portfolio Standard)法」が目指す「新エネルギー」の目標値を、「2010年度で1.35%」と低く抑えてしまった。2003年度で(0.39%)だから、7年間でたった1%の増加しか目指さないため暗礁に乗り上げている。 中村哲雄町長
岩手県 旧室根村(一ノ関) 宮城県唐桑町舞根湾(もうねわん)の牡蠣養殖業者が牡蠣を育てる鉄分をもとめて大川上流の根室山山麓にクマノミズキなどの広葉樹植林 を植林し山に大漁旗がはためいた。森の腐葉土で成育されたフルボ酸と鉄が結びついたフルボ酸鉄が細胞膜を通過して鉄イオン摂取に効果があるのだ。これが大勢の人に着目されて、大川上流の室根村では合併浄化槽の導入や農薬の使用を抑えた農業の実践が始まり、大川中流に建設されそうになった新月ダム計画が中止 に追い込まれた。歌人熊谷龍子が「森は海の恋人」というキャッチフレーズをつくった。 畠山重篤
福島県 矢祭町 合併をしない宣言、住基ネットへの不参加表明、企業誘致とニュータウン、“女の涙”で溢れた町長室に監禁、小さいからこそ輝く 根本良一町長
長野県 栄村

高橋彦芳村長は補助金は毒薬であるとし、 農家が希望する規模、形状にそう形で決めて行う田直し、村民の希望通りに直営事業で実施する「道直し」、下駄履きヘルパー制度などを実施して成功した。その結果、借金を抱える農家は皆無である。 具体的には農地の区画整理を農家と村が雇ったパワーショベル・オペレーターと村の担当者の三者が現場で話し合って即決できめるので無用なペ−パーワーク もなく、ローコストで迅速に行動に移れる。 中央官僚が無知のまま制定した制約付きで農地の区画整理を強行すると傾斜地では土を動かす量がふえて仮に補助金をもらっても後に残る借金が大きく、農業収入ではこれを返せなくなる。また中央官庁が決めた規格で幅広の道路建設しても車が通らない 広い道路ができるだけである。中央官庁の傲慢さを拒否する英知をもった高橋村長の見識がさえる。

高橋彦芳村長

December 7, 2008


トップページへ