エンジン・スチームタービン・コンバインド車

 
2005年の秋、ウェグマン博士は愛車アストンマーチンを飛ばしながら、ガソリン価格が上昇したのでエンジン排熱の有効利用を考えはじめていると言っていた 。2006年の3月になってメールで特許出願したが、残念なことにおなじことをBMWが研究していて試作車を発表したとドイツ語の雑誌の切り抜きを送ってきた。 第二外国語はドイツ語のはずだが、辞書を処分してしまい読めない。系統図から勝手に推測していた。この切抜きをロスのクーパー氏に転送したところ、なんとか読めたと言って来た。

まずレシプロ・エンジンはディーゼル・エンジンだという。排気の触媒コンバーター下流に排熱回収ボイラーを設置する。触媒コンバーター上流に水蒸気加熱器を設置する。スーパーヒートされた水蒸気は2段のスチームタービンで動力回収し、回収した動力はVベルトでエンジンシャフトに伝達する。タービン排気は複水器で凝縮液化する。ポンプで昇圧し排熱回収ボイラーに送る閉回路を形成している。複水器は小型のためラジエータの冷却水を冷媒に使う熱交換器と推察される。 これで定格熱効率は15%向上するという。

ターボチャジャーは安価なエンジン排気の有効利用として普及しているが、更に一歩進めてエンジン排熱で水蒸気を発生させてスチームタービンを回して動力回収しようというものである。ガスタービンをレシプロ・エンジンに置き換えた一種のコンバインドサイクルである。

エンジン・スチームタービン・コンバインド車は定格熱効率を向上させることはできるが、市街地走行でアイドリングが頻発する走行で効率を上げることはできない。あくまで高速道路を突っ走るモードで有効な車であろう。

車種

ウエル・ツー・タンク効率

タンク・ツー・ホイール効率

ウエル・ツー・ホイール効率

ガソリン車(高速道路)

88

38

33

ディーゼル車(高速道路) 90 47 42
エンジン・スチームタービン・コンバインド車(高速道路) 90 47x1.15=54 49

April 1, 2006

Rev. April 7, 2006


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