ベトナム・セミナー

 

ベトナム経済研究所に勤務している友人が招待状をくれるので、例年この研究所が開催するセミナーに出席している。

米国が共産主義のドミノ現象を危惧してベトナムを叩いたのは我が駆け出しのころだった。あれから50年、この国もようやく資本主義の仲間入りをして発展をめざすところまできている。

2008年2月4日「新春ベトナムセミナー」ホテルグランドヒル市谷

まだまだ法整備も半ばのようだが、所長の窪田光純氏によれば、この国の指導者は中国の成功と失敗を横目でみながら来るべき食料危機を予感して食料の自立に断固たる決意を持っているのが印象的だと語った。

着任早々の駐日ベトナム大使グエン・フー・ビン閣下も参加して、長い紹介のスピーチがあった。

招待講演者は三菱総合研究所のエコノミスト永野護氏で米国のサブプライム問題は後世からニクション・ショックと同等のインパクトがあったと振り返ることになる大きな節目になるだろうとの見通しが語られた。すなわち自動的に米国を通過していた資金の流れが変り、各国の金融機関が独自の判断で資金を投資するようになるため、米国がハブたる地位を失い、多国間、多通貨循環に移行することになる。現に資源国に流入しているマネーはそれぞれの政府系ファンドの独自の判断で投資されるようになった。急拡大する国際イスラム債市場は目を離せない。各国はこれら資金供給者の資金をどう誘致して経済発展を図るかかんがえなければいけない。

February 10, 2008


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